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2004年01月09日(金) 00時23分

再就職支援のパソコン講座、実態なし 岡山県警が摘発朝日新聞

 再就職支援のパソコン講座を開いていないのに国から受講者に支払われる教育訓練給付金をだましとったとして、岡山県警は8日、コンピューターソフト開発・販売会社「アットマークコムウェア」(本社・同県勝央町)社長、赤松範次容疑者(33)=岡山市辰巳=ら5人を詐欺の疑いで逮捕した。いずれも容疑を否認しているという。厚生労働省によると、同制度をめぐる詐欺事件の摘発は全国で初めて。

 捕まったのは、赤松容疑者のほか、通信教育会社「ユニバース・リンク」(同・岡山市)社長、赤木孝彰(31)=岡山市中仙道=、同社員、原田健(43)=同市西島田町=、同湯浅修平(26)=同市妹尾=、同平井久暁(31)=同市福浜西町=の4容疑者。

 県警暴力団対策課などの調べによると、5人は昨年3月、実態のないパソコン講座の計画書を同省に提出して教育訓練施設の指定を受け、「受講料不要で教材と修了証がもらえる」と西日本を中心に受講者を募集。同4月末までに申し込んだ同県倉敷市内の男性(43)ら21人に偽の修了証を発行し、同省から受講者に振り込まれる給付金、計630万円をだましとった疑い。

 給付金は上限30万円で受講料の8割(当時)が支給されるため、5人は受講料を37万8000円に設定、1人あたり30万円を詐取していたという。受講生にクレジット会社と信販契約を結ばせたうえで、ユニバース・リンク社がクレジット会社から事前に全額の支払いを受け、その中から、2割の自己負担分である7万8000円を受講者に渡し、国からの給付金を合わせた37万8000円の全額をクレジット会社に返済させていた。

 パソコン講座は通信教育などの形式が主だったが、21人については教材が送られていなかったり、添削回数が少なかったりしていた。修了認定試験も行っていたが、一緒に解答を添えた場合もあったという。給付金は、講座修了者が修了証と領収書を添付して、窓口の公共職業安定所に申請、国から本人に支払われる。

 同省によると、同社主催の講座では、岡山県を中心に全国で2311人分の修了証が発行され、昨年11月までに給付額は計6億4000万円になる。(01/08 22:00)

http://www.asahi.com/national/update/0108/044.html