2004年01月08日(木) 23時52分

＜キリンビール＞０５年１月からビール・発泡酒をオープン価格に（毎日新聞）

　キリンビールの荒蒔康一郎社長は８日の会見で、０５年１月から業界で初めてビールと発泡酒にオープン価格制を導入することを明らかにした。価格競争の激化で、メーカーが設定する「希望小売価格」が小売り段階で機能していないため、廃止に踏み切る。小売店は戦略に応じた価格設定がより自由にできるようになる。

　現在、ビールメーカーは（１）メーカーから卸業者への「出荷価格」（２）卸業者から小売店への「希望卸売価格」（３）小売店から消費者への「希望小売価格」——を設定している。しかし、実際は、ビール・発泡酒の小売店での販売は価格競争が激しく、ほとんど利益が出せない小売店も増えている。このため、希望卸売価格と希望小売価格を廃止し、小売店が卸業者との交渉で仕入れ値を下げるなど、利益の上乗せをしやすくする。

　また、年間販売量に応じて卸業者に支払っている「応量奨励金」を廃止し、流通システム改善への「機能奨励金」に一本化する。荒蒔社長は「価格の３段階制が機能していないため、健全な販売競争を業界に提案したい」と説明した。

　オープン価格制導入について、アサヒビールは「社内で検討中」、サントリーも「メーカーにどれだけ利点があるかを考える必要がある」としており、キリンの導入結果を見ながら、対応を決める構えだ。【藤田裕伸】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040109-00000056-mai-bus_all