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海上自衛隊の情報ネットワークセキュリティーに関する内部資料が外部に流出し、ネットセキュリティー業者が入手していたことがわかった。資料には主要基地の回線状況や今後の構想案などが盛り込まれていた。海自によると、厚木基地(神奈川県)のネットワーク担当責任者が収集・作成して保管していたが、職場には業者が自由に出入りしていたという。海自は実害はないとしているが、流出経緯などについて調査している。
資料は表紙に01年1月11日の日付がある。自衛隊の防衛秘密に指定されておらず、現在整備中のものとは異なる。海自は「個人用資料で閲覧しても問題はないが、業者に渡すような性質ではない」としている。入手した業者の元幹部は「当時、関係会社の幹部が持ってきたが、経緯はわからない」と話している。
資料は「海上航空部隊における情報通信基盤の整備等について」というタイトルがついたA4判25ページ。米国のネットセキュリティーソフトの日本国内における販売権を持つ業者に流出していた。
前半部分は、佐世保や呉、厚木など防衛庁と国内主要基地を結んだ当時の専用回線ネットワークの整備状況や、各基地内のLAN整備計画が記載されていた。
後半部分は「海自におけるコンピューターセキュリティー基盤整備の構想(案)」というタイトルで、防衛庁と各基地間の接続図があり、指令などを各基地が共有するための整備構想案とみられる。陸海空3自衛隊共同のネットワーク構築計画や、01年度以降の外部からの不正侵入対策や各自衛隊を結ぶシステム開発などのスケジュールが示されていた。
海自によると、資料は厚木基地配属の第51航空隊のネットワーク担当責任者(当時、3佐)が個人的に収集・作成。前半部分は部隊幹部への説明資料、後半部分は各種資料をまとめた。担当責任者は01年3月に異動し、現在はこの資料を持っていないという。
同基地は資料が作成されたとみられる01年1月から2カ月後の3月、「次世代航空指揮通信システム調査研究用器材」として、資料を入手した業者からセキュリティーシステムのソフトを約120万円で購入していた。指名競争入札だったが、発注資料には例示としてこの業者の商品名を記載していた。しかし、ソフトの不具合が生じ、今は利用していない。
海自に対し、この担当責任者は「職場にはネットワーク関係業者が自由に出入りしていた。資料のコピーを同僚に渡した記憶はあるが、業者に直接渡すことはなかった」と話しているという。
<海自広報室の話> あくまでも個人用資料。一部隊の責任者の案で、全体構想とは異なる。部外者が閲覧しても差し支えない内容だが、資料管理という観点から今後は管理を徹底したい。(01/08 08:04)