2004年01月07日(水) 21時03分

ハンセン病「元患者」呼称　県、当面使用せず−−入所者に意見聞く　／熊本（毎日新聞）

　ハンセン病療養所入所者らに対する宿泊拒否問題を機に、県は「元患者」の呼称を改める具体的な検討に入った。既に印刷されたパンフレットなどを除き、文書や発言で「元患者」の表現を使わず、今後、入所者らから意見を聞いて新たな呼称を決める。
　県は、ハンセン病国賠訴訟の熊本地裁判決後、啓発パンフレットなどで「元患者」との表現を使用してきた。しかし、宿泊拒否問題を受け、各種会合で入所者側から「元患者という言葉に傷付く人がいる」との指摘を受けていた。
　潮谷義子知事は５日の会見で「元患者という表現が必要だったのだろうか」などと述べ、「元患者」との呼称を改める考えを表明。会見に先立ち、啓発を担当する健康づくり推進課に「入所者の意見を聞いてほしい」と指示した。
　知事は会見で「入所者」「退所者」「回復者」など複数の呼称を例示。同課によると、その他、「過去にハンセン病にり患した人」や「完治した人」など、新たな呼称が決まるまで、これらの呼称を適宜、使う。
　東明正課長は「呼称は入所者の受け止め方が一番大事。意見をよく聞いて慎重に判断したい」と話している。【石川淳一】（毎日新聞）

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040107-00000001-mai-l43