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携帯電話で、斬新なデザインの新製品が相次いでいる。市場が飽和状態となる中、機能だけでは買い替えない利用者が増えているためだ。ただ、凝った装いだけに市場投入まで時間がかかるのが難点。開発期間の短縮が課題となっている。
KDDI(au)が03年10月に発売した「インフォバー」は厚さ11ミリと板チョコなみの薄さで、直方体。いま主流の二つ折りでも、丸みを帯びた形でもない。代表機種の「イチマツ」は特注の大型液晶と、ほぼ正方形の大きなボタンが市松模様に並ぶ。当初計画の1.5倍程度売れているという(台数は未公表)。
開発の発端は01年春、同社初のデザイナーが折り畳み式以外の機種がなくなっていたことに問題を感じたこと。電話機メーカーが提案するデザインから選んでいたことで品ぞろえの「穴」を許していた。そこで自ら市場調査をし、社外デザイナーと共同で格好良さを求めて設計した。
総務省によると、携帯電話加入数は7894万件(03年10月末)。情報通信ネットワーク産業協会の03年春の調査では、携帯電話の買い替えで重視する点は「デザイン・色」が「画面の見やすさ」や「カメラの有無」を抑えて3年連続で首位だ。携帯各社がデザイン戦略を推し進めるのは、消費者の好みと実際の品ぞろえにギャップが生じてきたからだ。
NTTドコモも、新型FOMA(フォーマ)の戦略の軸を「ドコモらしくないデザイン」に置き、高機能ばかりを強調する路線から転換した。
2月に発売するNEC製「N900i」は、二つ折りの電話機を広げると内側に緩やかに弧を描いているように見える。本体の外側は鮮やかなオレンジで、内側は鈍く光る銀色。形は固定電話の受話器に、銀色は刀に似せた。三菱電機製「D900i」は本体にアルミニウム素材を使い、光沢感を際だたせている。
ただ、開発には時間がかかる。KDDI初の自社デザインとなったインフォバーは発売まで従来の3倍、2年半を費やした。ドコモもメーカーとの共同開発に通常の1.5倍、1年半かけた。今後、両社ともメーカーへの技術支援を強化し、開発をはやめる。
(01/05 08:19)