2004年01月05日(月) 07時00分
紙の辞書離れ、出版業界悩む(日経新聞)
「紙の辞書を使って!」——。辞典出版業界が異例のキャンペーンをスタートさせた。持ち運びが楽で、複数の辞書を収録した電子辞書が急速に普及。大学生の多くは電子辞書しか持たず、学習辞書の得意先である高校でも電子辞書を推薦する学校が増えているためだ。出版関係者からは、“紙離れ”による今後の辞書作りへの影響を懸念する声も上がっている。
「高校入学時には、まず紙の辞書を!」。出版社18社が加盟する辞典協会は昨年11月から、入学シーズンを見据え紙の辞書の推薦ビラを全国の高校へ配り始めた。紙の辞書の売り上げは、少子化で減っているが、拍車を掛けているのが電子辞書。同協会が昨年10月に全国の高校百校に実施したアンケート調査では、16.7%が電子辞書を推薦していると回答。旺文社は「推薦していない学校でも電子辞書を使っている生徒は多い」と危機感をにじませる。(07:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20040105AT3K0401J04012004.html