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2004年01月03日(土) 00時00分

住民がインフラ整備 無線LANで活性化 今春めど 観光案内に活用 自宅に無線LANの基地局を設置した松野均さん=富山県黒部市生地阿弥陀堂で 東京新聞

 無線LAN(構内情報通信網)を使って観光地の魅力を向上させる試みが、富山県黒部市生地地区で動き出した。地元住民らが費用を負担し、インフラを整備する新しい手法。今春にも、メーンストリートならどこででもインターネットに無料接続できるようにする計画で、関係者は「観光スポットで接続し、解説が読めるように」「海を眺めながらネットをしたい」など夢を描いている。

 市民自らが無線インターネット整備を担うプロジェクト「みあこネット」を進める特定非営利活動法人(NPO法人)「日本サステイナブル・コミュニティ・センター」(SCCJ、京都市)の高木治夫代表と、黒部市職員本多茂さん(49)=富山市在住=が知り合いだったことがきっかけ。

 みあこネットでは、住民有志が初期の工事費用や月々の回線接続料などを負担し、無線LANの基地局を設置。基地局所有者に氏名や電子メールアドレスなどを知らせて申請し、アカウントの発行を受ければ、誰でも無料で利用できる。基地局所有者が負担する接続料は月四千七百円。

 生地地区では、本多さんの呼び掛けに、黒部漁協組合長の松野均さん(54)が昨春、基地局を自宅に設置した。設置を了解した住民も一人おり「六、七人が基地局を設置すればメーンストリートをカバーできる。今春ごろにも実現したい」と松野さんは話す。

 生地地区は、水がわき出る清水(しょうず)が十八カ所あり、上杉謙信や松尾芭蕉たちのゆかりの地でもある。観光ボランティアガイドも務める松野さんは「ネットなら観光客も気軽に解説を読め、昔の画像などを付けた深みのある案内もできる」と構想する。

 市中心部の三日市大町商店街でも近く、みあこネットの基地局が二カ所設置される予定。本多さんは「市民がインフラを整備する新しい手法は、地域活性化やまちづくりの武器になっていくだろう」と期待している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tym/20040103/lcl_____tym_____000.shtml