2003年12月30日(火) 07時03分
暖冬 灯油価格が下落 「イラク」見越し備蓄も多め(河北新報)
東北の灯油価格が本格的な需要シーズンを迎えながら、下落を続けている。需要が増える12月からじりじり上がるのが例年の傾向だが、需要期に入った10月からの2カ月で店頭価格は30円以上も下がった。暖冬傾向と灯油の在庫量が昨年より多いためだ。灯油取扱店は「書き入れ時なのに」と頭を抱え、消費者は「家計に大助かり」と歓迎している。
「買いだめします。例年ならこの時期に5回は来ているが、今年はまだ3回目」。仙台市宮城野区のホームセンターで青葉区の主婦(58)が灯油タンクを乗用車に積み込んだ。
石油情報センターによると、東北の店頭平均価格は22日現在、18リットル当たり760円。高めに推移していた10月上旬より33円下がった。配達価格も15円低い843円。
価格下落は暖冬による需要の減少が大きく影響している。11月の東北の平均気温は前年より1.5度、12月も前年を1.2度上回っている。
灯油備蓄量が増えていることも価格下落の理由の一つ。石油元売り大手の仙台支店は「イラク戦争による原油減産に備え、各社が事前に灯油を増産した。全国で昨年より100万キロリットル多く備蓄され、供給過剰」と説明する。
灯油取扱店は値下げに追われており、「11月の販売量は前年より4割減」となったみやぎ生協は、11月末から18リットル当たり54円下げて792円で配達を始めた。東北の生協はシーズン前に暫定価格を定め、シーズン後に精算価格との差額を組合員に還元するが、「1月も値下げを検討する」という。
名取市のホームセンターは、18リットル当たり10月上旬より66円安い600円で販売。「仕入れ値の下落で思い切って安くした」とまとめ買いを狙って攻勢をかける。
仙台管区気象台によると今後も厳しい冷え込みは少なそうで、石油連盟は「今シーズンは下落を続ける」とみている。
(河北新報)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031230-00000012-khk-toh