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計画の中で、とりわけ効果が期待されるのが、談合排除や落札価格の適正化を目指した電子入札だ。
すでに神奈川県横須賀市などの先行例があるが、東京都が年明けから開始し、全国の自治体が電子入札を導入する大きな推進力になりそうだ。
懸念されるのは、政府が電子政府を国策として推進しているのを背景に、各自治体に行け行けムードが生まれ、コスト意識が薄れがちになることだ。
各自治体が競って高価な独自システムを構築し、請け負うメーカーだけが喜ぶということが、あってはならない。新年から電子入札をスタートする福井市が、一部システムを横須賀市と共用することで約六千万円の経費削減を実現したのは、英断として評価したい。
個人にとっても、来年は電子政府が身近なものになってくる。一例が所得税などの電子申告・納税だ。
来年二月からの確定申告に合わせて名古屋国税局管内からスタートし、六月から全国に拡大する。込み合う税務署にわざわざ出かけなくても、自宅や企業の事務所からインターネットを通じて手続きができるようになる。
だが、実際にインターネットで申告や納税をしようとすると、自治体の窓口に行って、今年、配布が始まった住民基本台帳(住基)カードに、個人認証のための電子証明を書き込んでもらうところから始めなければならない。
一台数千円の住基カード読み取り機を個人の負担でパソコンに付けなければならないのも、普及のネックになる恐れがある。
住基カードを使った各種サービスの運用面で、納税は国税庁、住民票は総務省と各省庁の縦割りになっており、省庁にまたがったサービスの連携がスムーズに行われるか確認作業が遅れているのも気がかりだ。
住基ネットでは個人情報漏えいの懸念が根強く指摘されている。情報漏えいを防ぐには、不用意に一般のパソコンを住基ネットの回線に接続しないなど、自治体職員の慎重な運用に負うところも多い。
電子政府はアイデアをこらせばさまざまに活用できる可能性がある。新しい制度をどうやって真に安心で使いやすいものに成長させるかが、自治体の努力の見せどころだ。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20031230/col_____sha_____003.shtml