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2003年12月26日(金) 03時02分

<武富士>名誉棄損の損害賠償訴訟で和解打診 方針を転換毎日新聞

 消費者金融最大手「武富士」が、批判記事を書いたジャーナリストらを相手取り東京地裁に起こした名誉棄損の損害賠償訴訟で、6件のうち3件の和解を被告側に打診していることが分かった。前会長の武井保雄被告(73)=電気通信事業法違反で起訴=が13件の盗聴を指示したことを認めたため、高額訴訟の方針を転換せざるを得なくなったとみられる。しかし、ジャーナリストらは同社の謝罪を求めており、和解交渉は難航しそうだ。

 関係者によると、同社が出版社や筆者を相手に起こした損害賠償訴訟で現在、係争中の主な訴訟は6件。請求額が3000万〜2億円と高額で、訴えられたジャーナリストらは「司法制度を乱用して批判を封じ込めようとしている」と同社の対応を批判していた。

 同社側が和解を打診してきたのは、月刊誌で盗聴などを報じた山岡俊介氏(44)らに約3500万円▽週刊誌で同社と警察の癒着を報道したジャーナリストらに2億円▽ホームページ(HP)上で同社の業務実態を暴露した元社員に3000万円を請求した3件。

 2億円訴訟の代理人によると、今月19日の口頭弁論で、具体的な和解内容の提示はなかったものの、同社側から和解を打診されたという。訴えられたジャーナリストは「取り下げだけなら和解には絶対応じない。謝罪広告を出させるなど非を認めさせたい」と話す。

 一方、盗聴被害者でもある山岡氏については同社がHPで「同社総務部課長の中川一博被告(43)=同=が持ち出した内部資料を事件師グループに切り売りすべく奔走した人物」などと批判。山岡氏側は11月末、名誉棄損で同社に反訴を起こしていることから、謝罪などがなければ和解に応じない意向だという。

 同社広報部は「現在、和解も含め訴訟に対する見直しは進めているが、どの訴訟で和解を行うかなど具体的なことは言えない」と話している。【三木陽介】

◆武富士が起こした主な名誉棄損の損害賠償訴訟(請求額順、※印は和解の打診があったもの)

報道媒体       被告      請求額

※週刊プレイボーイ ジャーナリストら 2億円

 週刊金曜日    ジャーナリストら 1億1000万円

 月刊ベルダ    山岡氏ら     1億円

 単行本「武富士の 弁護士ら       5500万円

     闇を暴く」

※月刊創      山岡氏ら       3500万円

※HP「闇富士」  元社員        3000万円(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031226-00000131-mai-soci