2003年12月25日(木) 00時00分
千代田区、損倍提訴を検討(朝日新聞・)
千代田区の福祉施設「岩本町ほほえみプラザ」で国の基準を超えるトルエンが検出されて使用開始が遅れている問題で、区から損害賠償を求められた建設主の都住宅供給公社は「開設延期の責任は区にある」と、賠償要請を拒否する文書を区に内容証明郵便で送付した。回答を受けて区は24日開かれた区議会委員会に報告し、損害賠償訴訟を起こすことを念頭に検討を始めた。
区によれば、トルエンを含んだ接着剤などを使った公社側の工事が影響し、10月1日に予定された同プラザの開所が今もできないでいる。
損害賠償額は入居予定の社会福祉法人の人件費などの約1億5千万円とトルエンの濃度測定や換気に要した費用数千万円になる見込みだ。
一方、公社側は文書で「施設は5月末に工事を完了した。区の意向で追加工事をし8月に工事を終えた。開設延期の大きな要因としては、この変更工事のために換気対策が制約された」などと指摘。「引き渡しの時期が8月末に遅れたにもかかわらず、開設日が10月1日に設定された。(区の)性急な日取りの設定に無理があった」などとも述べ、「損害の負担は理不尽」と回答した。
逆に区の要請で実施した濃度測定や換気対策などの費用を求めた。3500万円ほどになるという。
千代田区の石川雅己区長は「公社の認識は正確さを欠いており、このような態度では最終的に訴訟にならざるを得ないと思う」と話している。
公社幹部は「もしも損害賠償訴訟になった場合、今回の文書で示した内容を主張していくことになると思う」と話している。
公社は都が100%出資する都の外郭団体。都営住宅の管理や賃貸住宅の建設などをしている。
(12/25)
http://mytown.asahi.com/tokyo/news02.asp?kiji=2724
|