悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2003年12月25日(木) 14時38分

牛丼の味変わる?頼みの米産肉輸入停止に業界困惑読売新聞

 米国で初のBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)が疑われる牛が発見され、米国産牛肉が輸入停止となったことで、多くの牛丼チェーンが「エサが違う他国産では同じ味を出せず、客の支持を得られない」と頭を抱えている。

 牛肉の品不足や値上がりも懸念され、サラリーマンの昼食の定番でもある庶民の「味」までも大きく変わりかねない情勢だ。

 牛丼チェーン最大手の「吉野家」が使う牛肉の99%は米国産のあばら部分のバラ肉。「軟らかく癖もないすき焼きに似た日本人向けの後味」(広報担当者)の秘密は、トウモロコシなどの穀物を中心にしたエサという。輸入停止の代替措置として、豪州産牛肉の使用も検討しているが、「豪州産のエサは草が中心で、食味が全く違う。味も変わってしまう」と、対応に苦慮する。

 業界2位の「松屋」の牛肉も90%以上が米国産で、こちらも「豪州産はステーキやハンバーグ用には向くが、牛めしには、サシ(脂肪部分)が入る米国産の肉が最も食べやすい」という。

 これまで、欧州やカナダなどBSEが発生した計22か国からの牛肉輸入はすべて停止され、現在もストップしたままだ。今回の米国産牛肉の輸入停止措置も、現時点で解除の見通しは全く立っていない。

 吉野家と松屋の牛肉の在庫はともに1か月分ほどしかないが、両社は「今は事態の推移を見守っている。選択肢はいろいろあるが、対応はまだ決まっていない」とする。ただ、「並盛1杯280円に値下げした時も味と質だけは落とさなかった」(吉野家)と、味にはことさら気を使う。国産牛肉でも同じ味を出すことは可能だが、「国産は値段も高く、量の確保も難しいから現行(並1杯290円)のように300円以内に抑えるのは極めて困難」(松屋)という。

 職場の近くで毎週のように牛丼の昼食を食べる東京・新宿区の会社員男性(38)は、「薄味だけど脂身がほどほどに入った肉の食感が魅力なのに、味が変わるのは許せない。在庫がなくなる前に食べておかないと」と残念そうだった。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031225-00000405-yom-soci