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2003年12月25日(木) 12時23分

手術中に冗談も 慈恵青戸病院医療ミス、検察側冒頭陳述朝日新聞

 東京慈恵会医科大学付属青戸病院(東京都葛飾区)で腹腔(ふくくう)鏡手術を受けた男性(当時60)が死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われた医師3人の初公判が25日、東京地裁であった。斑目旬(38)、長谷川太郎(34)の両被告は「間違いありません」と起訴事実を認めたうえ、死亡した男性と遺族に謝罪した。前田重孝被告(32)も謝罪したが、「大量出血して死亡するとは予見できなかった」と無罪を主張した。

 検察側の冒頭陳述によると、被害者の男性は前立腺がんと診断され、02年11月8日に同病院で患部の摘出手術を受けた。主治医の長谷川医師は、「新しい手術に挑戦し、実績を上げたい」と思い、開腹せずに小さな穴から内視鏡などを入れる腹腔鏡手術を選択。前田医師も「患者にどの程度の利点があるのか確かめたい」と思って助手を引き受けた。長谷川医師から執刀の依頼を受けた斑目医師も、この手術方式に強いあこがれを抱き続けていたことから、執刀を引き受けた。

 男性は手術中に大量出血。前立腺を摘出したときには前田医師は「はーい、生まれました。男の子でーす」と冗談を言っていた。その後、斑目医師が開腹手術への変更を提案したが、長谷川医師は「出血も大したことないし、続けたらどうですか」と述べて続行。手術室を巡回してきた麻酔医から「こんなオペして、ヘボ医者。さっさと術式を変えて終わらせなさい」と怒鳴られても、3人は無視して続けた。

 男性は同年12月8日に低酸素脳症から肺炎を起こして死亡した。この手術方法は高度の技術が必要だったが、3人とも知識や経験がなかった。開腹手術への変更の判断が遅れて大量出血し、死亡する恐れがあると十分予測できたのに実行した過失があったとされる。(12/25 11:37)

http://www.asahi.com/national/update/1225/017.html