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農林水産省は24日、米国でBSE(牛海綿状脳症)感染の疑いがある牛が見つかったことを受け、対策本部を開いて対応を協議した。国内需要をまかなうため、輸入停止となった米国産牛肉の代わりに豪州、ニュージーランドからの輸入増の余地があるか両国に担当者を派遣して調査することや、不当な便乗値上げなどがないよう牛肉価格の動向を監視することなどを決めた。
農水、厚生労働両省は24日に米国産牛肉、牛肉加工品の輸入を禁止したが、財務省の貿易統計などによると、米国産の牛肉は日本の輸入牛肉全体の45%、日本国内消費の26%を占め、需給のひっ迫で価格上昇が懸念される。需要が米国産牛肉から国産、豪州産にシフトするほか、鶏肉や豚肉の代替需要も強まり、市況に影響を与えそうだ。
ただ、いつまで禁輸が続くかは不透明。亀井善之農相は24日の会見で輸入再開の条件として、米国でも安全性確保のため日本と同等の牛の全頭検査を実施するよう米国側に求める考えを示したが、福田康夫官房長官は「(全頭検査が必要かどうか)実情をよく調べて判断すべきだ」と述べるにとどまるなど、政府の対応は定まっていない。
これまで日本は英国などBSE発生国22カ国からの輸入を停止し、解除したケースはないが、国内消費の多くを米国産に頼っている現状では長期の禁輸は消費者や外食産業などへの影響が大きいうえ、米国が「全頭検査は過剰」だとしてより緩やかな条件での輸入再開を求めた場合、通商摩擦に発展する懸念もあり、政府は対応に苦慮しそうだ。【上田宏明】
[毎日新聞12月24日] ( 2003-12-24-22:52 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/seiji/20031225k0000m010079001c.html