2003年12月24日(水) 23時11分
牛原料の医薬品など、米製品の輸入自粛指導へ(読売新聞)
米国でBSE(牛海綿状脳症=狂牛病)の感染が疑われる牛が発見された問題で、厚生労働省は24日、最終的に感染が確定した場合、牛を原料とした医薬品や化粧品について、関連する業界が、米国からの輸入を自粛し、原料の調達先をBSEが発生していない国に切り替えたり、ブタなど牛以外の原料を使うよう、指導していく方針を明らかにした。
今後、製品の自主回収に発展する事態も予想される。
今年5月にカナダでBSEが発生した際にも、約2000品目が切り替えの対象となった。今回はさらに多くなるとみられ、業界が切り替えをスムーズに行えるかどうかは不明だ。
厚労省は自主回収の対象製品については明らかにしておらず、米国からどの程度の牛由来製品が輸入されているのか実態も不明。同省は今後詳細に調査するとしている。
医薬品や化粧品には、血糖を下げる作用のあるインスリンや消化剤に使う胆汁エキス、コラーゲンを抽出するための皮膚、さらに軟膏の原料となる血液など、原料に牛を使った製品が少なくない。
牛を原料とする医薬品や化粧品が原因で、人間がBSEの原因となる異常たんぱく質に感染した例はこれまで報告されていない。
ただ、厚労省では予防的措置として、2000年12月に、脳や脊髄(せきずい)など、BSE感染の危険が高い部位を利用した医薬・化粧品の自主回収を業界に指示。さらに非発生国で生産した牛であっても、危険部位の使用を禁止している。
このため、厚労省医薬食品局は「現在流通している製品が、ただちに危険というわけではない」としているが、今後、利用の実態を把握していく方針。(読売新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031224-00000015-yom-soci