2003年12月24日(水) 09時05分
音楽業界の独禁法違反疑惑に「シロ」裁定(ZDNet)
音楽のオンライン配信に向けて米大手レコード会社が合弁で設立したpressplayとMusicNetは競争を阻害する疑いがあると指摘されていた問題で、米司法省は12月23日、この問題についての調査終了を発表。「この両社が競争を阻害、あるいはデジタル音楽の利用者に損害を与えたとする証拠は見当たらない」と結論付けた。
pressplayはSony MusicとUniversal Musicが設立。MusicNetはWarner Music Group、EMI Group、BMG、およびRealNetworksの合弁企業。pressplayはその後Roxioに売却されている。
司法省の調査は2001年夏に開始。この調査ではレコード会社が他社運営のデジタル音楽サービスにも自社の楽曲をライセンス供与しているか、音楽のPRと配布のチャネルとしてのインターネットの成長を阻害していないかが問題になっていた。
大手レコード会社は当時、インターネット企業に対し、自社のアーティストの楽曲提供やダウンロードサービス提供を認めておらず、消費者の間ではKazaaやMorpheusなどのソフトを使った無許可の音楽ファイル交換が主流になっていた。
pressplayとMusicNetは同年12月に有料音楽サービスを開始したが、両社ともストリーミング配信や限定的な形でのダウンロードに限定されていた。
しかしその後、デジタル音楽をめぐる環境は劇的に変化。大手レコード会社は多数の企業に自社のアーティストの音楽配信を認めるようになり、消費者はさまざまな形で音楽を入手できるようになった。
「競争が阻害されるとの疑いは一つとして事実の裏付けが得られなかった。音楽をサードパーティーのサービスに対して個別にライセンスする条件に関してレコード会社が不当に手を組んでいる事実も見当たらなかった。レコード会社が合弁企業を使ってインターネット音楽市場の発展を阻害し、物理的な形での音楽推進と配布に関する既得権益を守ろうとしているとの懸念は、デジタル音楽市場が発展している現状と矛盾する」。司法省は発表文でこう指摘している。(ZDNet)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031224-00000011-zdn-sci