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日本道路公団(JH)の「通行料金別納制度」を利用する事業協同組合「トウキュウサービス」(東京都文京区)が、法律で義務づけられた組合の総代会を5年間にわたって開かず、監督官庁に虚偽の議事録を提出していたことがわかった。組合の理事は大半が同じ会社の役員で、理事の親族会社に高額の業務委託費を支払ったり、代表理事の会社に無利子で融資したりしていた。中小企業庁は「総代会を開かないのは明らかな違法行為。組合の運営に疑問がある」と指摘している。
トウキュウサービスは組合員数約1200社。02年度だけで別納制度を約22億円分利用し、約2億円の利益をあげている。
同組合が関東経済産業局や関東運輸局などの監督官庁に提出した総代会の議事録などによると、通常総代会は5月29日夜、東京都文京区立の施設で開かれたとされる。出席者は35人で、代表理事が議長を務め、理事4人が出席したことになっている。だが、文京区によると、総代会場とされた施設の部屋は同夜利用されていない。
同組合が提出した98年以降の書類では、組合は毎年5月に通常総代会を開いたことになっている。しかし、議事録で「議長」とされる代表理事は出席したことがなく、「出席理事」として押印がある複数の元理事も「総代会には出席していない。通知さえもらっていない」と証言している。
中小企業等協同組合法は、総代会(総会)を組合の最高意思決定機関と定め、年に1回の開催を義務づけている。中小企業庁は「議事録に虚偽の事実を記載したとすれば罰則の対象になる。組合の運営全体が適正に行われていたのか疑問が生じてくる」と話している。
総代会を開かない一方で、同組合は理事の関連企業に計算業務を委託し、「計算料」などの名目で00〜02年度に計1億円を支出。代表理事が会長で理事計3人が取締役を務める印刷会社(資本金1000万円、年間売上高約3億円)に、無利子の融資を繰り返し、最終的には数千万円になったという。
さらに、別納制度を利用する組合員企業の勧誘や管理を約15社に委託。00〜02年度に計2億9000万円を「支部管理費」などの名目で払っている。この中には、計算業務を委託する親族企業も含まれている。
同組合の理事数人は96年ごろから、別の事業協同組合を設立したり、休眠組合を買い取ったりして、新たに3組合で別納事業に乗り出している。いずれの組合も、代表理事が会長を務める印刷会社の役員が理事になっている。
同組合の代表理事は総代会を開かなかったことについて「努力したが組合員が集まらなかったと、事務担当の理事から聞いた。私自身も出席できなかった」と話した。高額な支部管理費については「組合に人手が無く、別納制度を利用する企業を勧誘するのに支部が必要だった」という。
身内企業への計算料や代表理事の会社への無利子融資については「経費がほかの組合の水準より高いなら改善する。私が会長を務める印刷会社が組合の設立を支援したので、見返りに融資を受けた。利子は後から支払った」と話している。(12/22 05:53)