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2003年12月21日(日) 03時35分

<IT事業>「発注元」と「受注先」に同一人物毎日新聞

 国のIT関連委託事業を舞台にした公益法人「財団法人・イメージ情報科学研究所」(大阪市)による「丸投げ逃れ」問題で、同研究所の外注先の「財団法人・医療情報システム開発センター」(東京都)の理事長(66)が、同研究所のIT推進委員を兼ねていたことが20日、毎日新聞の調べで分かった。同研究所は01〜02年度、同事業費計13億8300万円のうち2億9400万円を同センターに外注している。IT推進委員は、同事業のためにできた委員会委員で、事業の「発注元」と「受注先」に同一人物が存在していたことは、“お手盛り事業”との批判を受けそうだ。

 同研究所は01年8月、同年度の同事業を7億2300万円で経産省から受託。この際、研究所内に有識者による「IT医療推進委員会」を設置。同研究所の評議員も務めていた理事長が委員に就任し、同研究所は1億8900万円を同センターに外注した。さらに、同研究所は02年7月、同年度の同じ事業を6億6000万円で受け、うち1億500万円を同センターに外注した。

 この外注をめぐっては同センターがほぼ全額を下請け業者1社に「丸投げ」(外注率95%)していた「ダブル丸投げ」が既に判明している。

 また、理事長は医療分野のIT化の必要性を訴えた国の「保健医療分野の情報化にむけてのグランドデザイン」(01年12月公表)を、国に答申した諮問機関の座長で、医療IT化を推進する立場にいた。同研究所は「理事長は医療情報システム分野の第一人者で、理事長の名前を出せばさまざまな人の協力が得られるのでIT推進委員になってもらった」と説明している。

 一方、理事長は委託制から公募制に変わった03年度の同事業の公募審査委員会委員長にも就任。さすがに理事長は「誤解を招く」として同研究所と協議のうえIT推進委員を退いた。しかし結果的には03年度も同研究所が受注している。

 理事長は東大教授、国立病院長を経て00年7月から現職。同センターは74年7月に設立された厚労、経産両省の外郭団体。理事長は毎日新聞の取材に「金銭面には全くタッチしておらず、外注先の決定にも関与していないが、今にして思えば軽率だった。反省している」と話している。【特別報道部取材班】(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031221-00000110-mai-soci