2003年12月19日(金) 00時00分

オレオレ詐欺　４日間で未遂８１件も清水俊夫大月署長から感謝状を受け取る金融機関の代表者ら（朝日新聞・）

　　東八代郡と山梨市で１８日、オレオレ詐欺とみられる電話が４７件相次いだ。うち３件を金融機関が「水際」で防いでいたことが、石和署の調べでわかった。県警が東京の犯行グループ６人を逮捕した後も、この４日間で８１件に達した。県警は「本人に確認を」と改めて注意を呼びかけている。

　　石和署によると、１８日午前９〜１０時ごろ、八代町の８２歳と７３歳の女性２人の家に息子を装った男から「甲府市内で交通事故を起こし、相手の車の修理代がいる」と電話があった。要求額は約３００万〜２５０万円。女性２人はそれぞれ町内のＪＡ支所と銀行支店に行った。相談を受けた職員が止めたため未遂に終わった。

　　石和町の５０歳前後の女性宅にも同じ時間帯に同様の電話があり、約２００万円を要求された。町内の信用金庫支店の現金自動出入機（ＡＴＭ）の前で現金を引き出そうか迷っていたところを職員が声を掛け、止めたという。この日、石和署管内で電話が計１８件あった。

　　日下部署によると、山梨市でも交通事故を起こしたなどと息子や孫を装って、電話が２９件あった。具体的な金額の要求はなく、電話は途中で切れたという。

　　県警は今月９日、大月市内の男性（６０）宅に息子の誘拐を装って電話し１２０万円を脅し取ったとして、無職石本直也容疑者（２２）ら東京の犯行グループ６人を恐喝容疑で逮捕。今年５月から県内で続くオレオレ詐欺にも関与していたとみているが、６人の逮捕以降も韮崎市（１５日）、塩山市（１６日）、双葉町（１７日）、そして東八代郡、山梨市とオレオレ詐欺が連日発生し、４日間で計８１件に達した。

　　県警捜査２課によると、オレオレ詐欺事件（既遂）は５月１３日〜今月２日の間に県内で計５２件あり、被害総額は４１７８万円に上る。

　　多発する犯行に県警は（１）自分の家族のように聞こえても名前を確認する（２）必ず家族本人に連絡をとって事実関係を確認する（３）急ぐように言われても一呼吸置いて家族や警察など第三者に相談する−−などと注意を呼びかけている。

未然防いだ代表者に感謝状　大月署
　「オレオレ詐欺」を未然に防いだとして、大月署（清水俊夫署長）は１８日、管内の９金融機関に感謝状を贈った。

　　同署管内では１０月から１２月初めにかけて、オレオレ詐欺や電話を使った恐喝事件が相次ぎ、同署捜査本部は９日、東京の犯行グループ６人を逮捕した。

　　同署は１０月ごろから、管内の９金融機関にチラシを配るなどして、窓口で大金を振り込もうとするお年寄りへの声かけを呼びかけた結果、オレオレ詐欺１２件が未然に防がれた。同署捜査本部はこの１２件もグループらの犯行の可能性が高いとみている。

　　感謝状を受け取った山梨中央銀行猿橋支店の小野淳一支店長は「人の心情をついた卑劣な犯罪。許すことはできない」と話した。

（12/19）

http://mytown.asahi.com/yamanashi/news01.asp?kiji=6545