2003年12月19日(金) 07時00分
うつぶせ寝訴訟、病院側敗訴が確定—最高裁(日経新聞)
生後間もない乳児が死亡したのはうつぶせに寝かせたのが原因だとして、両親が東邦大学(東京・大田)に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(深沢武久裁判長)は18日、病院側の上告を退ける決定をした。病院側の過失を認め、約4850万円の支払いを命じた1、2審判決が確定した。訴えていたのは東京都多摩市の井上達也さん(38)と立子さん(39)夫婦。
確定した判決によると、井上さん夫婦の二男、湧介ちゃんは1995年1月5日、東邦大医学部付属大橋病院(目黒)で出生。同8日、看護師がミルクを飲ませてうつぶせ寝にした後、心肺停止状態で発見され、重い脳性マヒが残って同年8月に死亡した。病院側は裁判で「心肺停止は乳幼児突然死症候群(SIDS)が原因」と主張したが、1、2審判決は「枕などで鼻や口が圧迫されて低酸素状態になり、もどしたミルクを吸い込んで窒息した」と認定。「病院側はうつぶせ寝に適した寝具を使用し継続的に観察する注意義務を怠った」と判断した。(07:00)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031219AT1G1802L18122003.html