2003年12月19日(金) 03時10分
<有害物質>発がん性の疑いあるBHC 1300倍の濃度で検出(毎日新聞)
福岡県は18日、同県福間町花見が丘で95年閉鎖した農薬製造会社、永光化成(福島県)の九州工場跡地で、発がん性の疑いのあるBHC(ベンゼンヘキサクロライド)を国指針の約1300倍の濃度で検出したと発表した。周辺の井戸水でも環境基準の最高15倍の有害物質を検出した。今のところ住民からの被害申告はないという。環境省などによると、BHCは残留性の強い農薬成分で69年に製造が中止されており、これだけ高濃度の検出例はほとんどないという。
永光化成は中外製薬の子会社で同工場は63年稼働。殺虫剤を作り、閉鎖後は更地。昨年9月から工場側が敷地の土壌と地下水を調べたところ、土地所有者に汚染土壌除去などを課す土壌汚染対策法対象のベンゼンなど6物質が最高330倍で基準値を超過。また、同法対象外のBHCが国の指針値(1リットル当たり0.0025ミリグラム)の約1300倍に当たる3.29ミリグラム検出された。
一方、県の敷地外調査で井戸水10カ所のうち2カ所で、殺虫剤の原料として使われ発がん性が指摘される四塩化炭素を国基準値の15倍、テトラクロロエチレンを4.6倍の濃度で検出。2カ所中1カ所は飲用だった。県は工場側から10月2日に報告を受けたが公表が遅れたことに「調査に時間がかかった」としている。
検出物質の一部は工場で使用されていない物もあり、県は原因究明とともに汚染土壌の除去作業などを指導する。【荒木俊雄】(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031219-00000138-mai-soci