2003年12月18日(木) 00時00分
住基カード浸透薄く/高松市(朝日新聞・)
住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)稼働に伴って、8月から発行が始まった住基カードの発行枚数が、高松市では当初の予測を大きく下回っている。市は今年度内に3千枚を見込んでいたが、12日現在351枚しか発行されていない。国は利便性をPRして普及したい考えだが、同市の担当者は「市民がそれほどメリットを感じていないのかも」と分析している。
カードは、8月25日の住基ネットの2次稼働に合わせ、住民が希望すれば利用できるようになった。転出入の手続きが簡素化でき、免許証などがなくても住所地以外で住民票の写しの交付が受けられる。
市民課によると、月ごとの発行枚数は8月131枚、9月121枚、10月57枚、11月26枚と月を追うごとに減少。年度末までに当初見込みの枚数に達するのは難しいペースとなっている。
「市民にとって、広域交付の恩恵がないのではないか」と、同課は見る。市外から同市に通勤している人の場合なら、勤務先に近い高松市役所で住民票の写しを受け取るメリットが考えられる。しかし、市内に住む人が市外に勤務するケースが多いとは思えず、市民が市外で利用することは少ない、という見方だ。
市は発行枚数を増そうと、印鑑登録や住民票の写しを自動交付機で受け取るためのカードとの統合も検討している。しかし、印鑑や住民票のカードが数万枚発行されているのに、住基カードは「ごく少数」。少ないカードのために現在のシステムを大きく変更するのは、コスト的に見合わない。
県自治振興課によると、県内では10月末までに約1千枚が発行されている。担当者は「発行枚数の見通しは立てていなかったが、思ったより少ない」と話している。
(12/18)
http://mytown.asahi.com/kagawa/news02.asp?kiji=6052
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