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フランスのシラク大統領は17日、エリゼ宮で演説し、イスラム教女生徒が学校でスカーフを着用するのを禁止するための法律制定を求める考えを明らかにした。仏の公立学校や公共機関ではスカーフ着用を巡って「信教の自由か」「布教活動か」の論争が続いていたが、大統領が判断を下すのは初めて。新法の制定という強硬手段で問題の解決を図る方針を鮮明にした。
大統領は「学校では政教分離が必要で、そのための法も必要」と明言。「控えめな宗教的印は認められるが、スカーフや大きな十字架など、これ見よがしのものは許されない」と述べ、来年9月の新学期までに制定するよう政府に求めた。同様に公務員のスカーフ着用禁止も要請。一方で、イスラム教徒への差別に対する憂慮も表明し、差別状況を監視する施設を設けるよう提案した。
01年の米同時多発テロ以降イスラム原理主義への警戒感が強まったフランスでは、教室でスカーフを取ろうとしない女生徒を巡る問題が大きな争点となっていた。フランスでは、1905年に政教分離法が制定されている。大統領のこの日の演説は、政教分離を重んじる共和国のアイデンティティーを守る試みとして、左右双方から好意的に受け止められている。一方、学校でのスカーフ着用運動を進めるイスラム原理主義系団体からは反発の声が上がっている。
(12/18 12:38)