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光ファイバー通信回線への接続をめぐって、NTT東日本と公正取引委員会の間で、近く裁判に当たる「審判」が始まる。公取委が独占禁止法に基づいて排除勧告を出したのに対して、同社が受け入れを拒否したからである。
電気通信事業法によって、NTT東日本は光ファイバー回線網を他の電気通信事業者に開放することを義務づけられており、一戸建て住宅向けの回線一本を月額五千円の接続料で他の事業者に貸し出している。
問題なのは、公取委の調べでは、事業者に貸し出しているのと同じ回線を一般消費者に同四千五百円で提供していることだ。
これでは、他の事業者のビジネスは成り立たないという。公取委が排除勧告を出したのは、このためだ。
ところが、NTT東日本側によると、一般消費者に四千五百円で提供している光回線は、本来は一回線を三十二本に分岐するはずのもの。それが過渡的な措置として、分岐されないままになっている。
同社は総務省の指導などを受けて、来年度から二年間かけて、分岐工事を進めるという。だから、現状はともかく、将来は問題はなくなるはずだと主張する。
今後は、審判の場で双方の主張の正当性を争うことになる。その場合、NTT東日本が忘れてならないのは、良質なサービスを安く提供するという消費者利益だ。
国際電気通信連合(ITU)の調べでは、日本は現在、光ファイバーや非対称デジタル加入者線(ADSL)などブロードバンド(高速大容量)回線で、世界一高速で料金も安くなっているという。
現在は比較的料金の安いADSLが主流だが、今後は光回線が本命になるだろう。つまり、光回線の普及が、日本の情報通信の将来を決めるといってもいい。
光回線は今のところ、「通信の巨人」NTTグループが圧倒的なシェアを握っている。普及のカギは公正な競争にあるはずで、そのためには、NTTの光回線と他の事業者との接続ルールや料金設定を納得のいくものにする必要がある。
NTTグループは疑念を抱かれるような事態があれば、すぐに改善すべきである。そして、光回線普及などを通じて、日本の情報通信の発展に努力してほしい。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sha/20031217/col_____sha_____003.shtml