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2003年12月16日(火) 22時14分

薬害エイズ・安部被告の「意思疎通能力」鑑定へ読売新聞

 薬害エイズ事件で業務上過失致死罪に問われ、1審で無罪判決を受けた元帝京大副学長・安部英被告(87)の控訴審公判が16日、東京高裁で開かれ、河辺義正裁判長は、被告が審理の内容を理解できるかどうかを確認するため、専門家に鑑定を依頼することを決めた。結果が出るまで審理は中断される。

 弁護団は「意思疎通できない状態」としており、安部被告の公判は、このまま停止されて、控訴審の判断が示されないまま終結する可能性も出てきた。

 弁護団によると、安部被告は今年2月までは自宅で打ち合わせに応じていたが、その後、持病の心臓疾患などで入退院を繰り返し、10月には、全く会話ができない状態になったという。精神科医が「心神喪失状態」と診断したため、弁護団が先月17日、公判停止を申し立てた。同高裁の判断はまだ出ていないが、刑事訴訟法の規定では、被告が心神喪失状態の場合は公判を停止する。

 控訴審は来年1月29日に結審し、春にも判決が出される見通しだったが、次回公判は同3月に延期された。薬害エイズの被害者らは公判後、「多くの被害者が生きているうちの控訴審判決を望んでいたのに、(審理中断は)到底納得できない」などと語った。(読売新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031216-00000413-yom-soci