2003年12月16日(火) 23時17分
薬害エイズの安部被告、訴訟遂行能力確認へ・東京高裁(日経新聞)
薬害エイズ事件の帝京大ルートで、業務上過失致死罪に問われ一審で無罪判決を受けた元同大副学長、安部英被告(87)の控訴審の公判が16日開かれ、東京高裁(河辺義正裁判長)は同被告の訴訟遂行能力を確認するための精神鑑定を行うことを決めた。鑑定の結果によっては、公判手続きが停止される可能性がある。
安部被告の弁護団が11月、専門医の診断結果に基づき、「被告は高齢による心神喪失状態にあり、意思疎通ができない」などとして、同高裁に公判手続き停止を申し立てていた。
弁護団によると、安部被告は今年4月以降、入退院を繰り返し、昨年11月に始まった控訴審にも一度も出廷しておらず、退院後の今年9月には、弁護団とも打ち合わせができない状態になったという。
河辺裁判長は17日にも鑑定人を選任し、鑑定結果は来年1月末から2月下旬に出る見通し。公判はこの日で実質的な審理が終了したため、河辺裁判長は鑑定結果に問題がなかった場合を考慮し、検察、弁護側双方の弁論期日を3月2日に指定した。(23:17)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20031217AT1G1602L16122003.html