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2003年12月16日(火) 00時00分

住基ネット『危険な状態』 長野県の実験報告書 東京新聞

 住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)の安全性を検証する長野県の侵入実験を評価する専門家の報告書の概要が十五日明らかになった。「個人情報は盗まれたり、改ざんされる危険な状態にある」と指摘、住基ネットの安全性について疑問を投げかけている。

 総務省は「適切な措置を取れば、個人情報を保護できる」と主張しているが、情報漏えいの未然防止に向けて再度の検証が求められそうだ。

 概要などによると、長野県は九月末−十月初旬、十一月末の二回、県内三町村で出先機関とインターネットの二経由で侵入実験を実施した。

 概要によると、自治体の出先機関である公民館や福祉センターの端末から電話回線で侵入、個人情報を保存する「既存住基サーバー」や「コミュニケーション・サーバー(CS)」を攻撃することが可能な状態となった。

 理論上は個人情報を消去したり、新しく作成し、住基ネットに流すこともできたとしている。

 CSは市町村が管理し、総務省の外郭団体「地方自治情報センター」の仕様に準拠しているため、仕様の見直しを迫られる可能性も出てきた。

 インターネットからの侵入は、ファイアーウオール(安全隔壁)に阻まれ、侵入できなかった。

 長野県は侵入実験の評価を総務省の住基ネット調査委員で、セキュリティー専門家の伊藤穣一氏に委託した。同県が近く報告書をまとめる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20031216/mng_____sya_____004.shtml