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NTT東日本は15日、家庭用光ファイバー通信回線(FTTH)サービスで他社の新規参入を妨害したとして公正取引委員会から受けた「排除勧告」を拒否することを決めた。これにより同社と公取委は、裁判の一審に当る「審判」で争うことになる。NTT東の強硬姿勢の背景には、公取委がNTTや電力会社など「独占的・寡占的事業者」への規制を強化する独禁法改正を目指していることへの反発もあり、勧告拒否をきっかけに巨大企業への規制論議が活発化しそうだ。
NTT東が提供するFTTHサービスには1本の光ファイバーを丸ごと貸す月額9000円型と、最大32分岐して供給する同4500円型がある。ただ分岐型には設備投資が必要なため、利用者が少ない現状では、丸貸し型でも分岐型料金で提供してきた。
一方、NTTのFTTH網に接続してサービスを提供しようとする他事業者は、丸貸し型の接続料5074円を払う必要があるため、NTTの4500円型との“逆転現象”が生じ、公取委は「新規参入の阻害」と排除勧告を出した。
NTT東は15日、「私的独占に当らず、独禁法に違反しない」と、全面的に争う姿勢を表明。理由を(1)FTTHサービスには、すでに電力系事業者などが参入しており、競争状態にある(2)所管官庁の総務省から行政指導を受け、対応について了解済み——と説明。総務省も、今後分岐型の設備投資を進め、実際に接続料が下がれば、競争上の問題はないとの姿勢だ。
公取委は10月、通信回線網、送電線網など、サービス提供に不可欠な施設をもつ事業者による他社への参入阻止行為を迅速に排除するなどの独禁法改正を打ち出した。これに対してNTT、総務省は電気通信事業法との「二重規制になる」と強く反発。今回の勧告拒否には、競争政策をめぐる公取委と総務省の対立も秘められており、今後の独禁法改正論議にも影響を与えるのは必至だ。【伊藤一博】
[毎日新聞12月15日] ( 2003-12-15-20:48 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20031216k0000m020063002c.html