2003年12月15日(月) 20時50分
宿泊拒否問題 全療協がアイスターに抗議(熊本日日新聞)
阿蘇郡南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が、国立ハンセン病療養所・菊池恵楓園(菊池郡合志町)の入所者の宿泊を拒否した問題で、全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協、伊藤文男会長、約三千七百人)が十五日、ホテルを経営するアイスター(東京)に抗議した。江口忠雄社長は「判断は間違っていなかった」との見解をあらためて示し平行線だった。
全療協の神美知宏事務局長ら三人が抗議文を提出し、宿泊拒否は「国民が平和的に共存できる社会をつくろうとの風潮に逆らう行為」と批判。江口社長が事前連絡なしに全国の療養所を”おわび行脚”していることについても「宿泊拒否の態度を撤回しないままでは無意味。納得できない」として、文書による謝罪やホームページへの謝罪文掲載を求めた。
江口社長は「(ハンセン病に関する)われわれの認識不足があった。熊本県が事前に説明してくれればよかった」「今後は勉強し、啓発活動の役に立ちたい」と従来の考えを繰り返した。
会談は約一時間で終了。神氏らは「何の進展もなく極めて遺憾」と同社の対応を批判した。
また、全療協と国賠訴訟原告・弁護団は同日、厚生労働省を訪ね、ハンセン病問題対策協議会を本年度内に開催し、法務省側の同席を得て、啓発活動の在り方を協議するよう申し入れた。
http://kumanichi.com/news/local/main/200312/20031215000469.htm