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2003年12月14日(日) 03時57分

<年金担保金融>契約無効訴え一斉提訴へ 高齢者の被害相次ぐ毎日新聞

 年金を担保に金を貸す違法な金融業者による高齢者被害が後を絶たないため、弁護士らでつくる「年金担保被害対策全国ネットワーク」(大阪市)は来春にも、契約の無効を求める裁判を全国の地裁に一斉に起こす。年金返還請求を認めない地裁判決が相次ぐなか、「世論を盛り上げ裁判所の判断に変更を促す」狙いがある。現在、被害実態を集約中で、まとまり次第同ネットが代理人となり提訴する。

 年金担保金融は「中高年融資」や「高齢者歓迎」などの広告を出して営業している。年金証書や振込口座の通帳、印鑑を預かって金を貸し、業者が年金を受け取って返済金を引いた残りを渡す。金利が高いため元金は減らず、担保は長期間、業者の手元に置かれる。口座の名義を勝手に変えたり、借り主が生活破たんしても返さない業者もある。

 国民年金法や厚生年金保険法では、冠婚葬祭や医療など、やむを得ない支出について独立行政法人「福祉医療機構」の年金担保貸付事業の貸し付けを認めているが、それ以外は年金受給権の担保や譲渡を禁じている。しかし、規定を知らない高齢者が多いうえ罰則規定がなく、業者側は違法を承知で商売にしている。

 同ネットは「年金を取られているという実感がないため被害者意識が薄く、問題が露見しにくい。利用者は最低でも10万人はいる」とみる。

 今年、大阪、神戸両地裁であった同様の訴訟の判決はともに脱法行為とは認めたが、「法律に罰則規定がなく、年金の振込口座の変更も不可能ではなかった」として全額返還は認めなかった。

 同ネット事務局長の関井正博・司法書士は「高齢化に伴い、悪質業者が増える恐れがある。一斉提訴で裁判所の認識不足を問いただしたい。国会などには罰則規定の制定を求めたい」と話している。【石川淳一】

 厚生労働省年金課の話

 年金証書を取り上げる実態があっても、法的には年金を担保にしているとは言い切れない。罰則規定を定めるだけでは解決にならず、業者を取り締まる立場の金融、警察行政からの指導も必要。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031214-00000080-mai-soci