2003年12月13日(土) 00時00分
元ハンセン病患者夫妻が九州龍谷短大で講演「普通のまなざしで見てほしい」と話す杉野さん夫妻=鳥栖市の九州龍谷短大で(朝日新聞・)
熊本県南小国町の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」から宿泊を拒否された国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(けいふうえん)の元患者、杉野芳武さん(72)、桂子さん(62)夫妻が12日、鳥栖市の九州龍谷短大で、「人間回復を求めて」と題して講演した。
杉野さん夫妻は、国の施策で長い間、犯罪者同様の扱いを受けてきたことや、宿泊拒否問題について、約1時間、学生らを前に語りかけた。療養所には励ましとともに抗議の電話があり、中には「温泉に入るより骨つぼに入れ」というものもあったという。
芳武さんは11歳から61年間、桂子さんは15歳から47年間の療養所生活を送っている。「かつては伝染するなどの迷信で隔離された。医学的には解決されたが、社会的にはまだ解決されていない。普通のまなざしで見てほしい」と訴えた。
講演を聞いた同大学保育学科1年の松尾郁子さん(27)は「宿泊拒否がなぜ、大きなニュースになるのか、きょうの話を聞いてよくわかった」と話した。
(12/13)
http://mytown.asahi.com/saga/news01.asp?kiji=2107
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