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客引きが目立つ忘年会シーズン。新潟市の繁華街・古町地区では、しつこい勧誘をやめさせようと今月から、客引きをする店員に首からIDカードをぶら下げてもらうことにした。「立ちふさがらない、ひわいな言葉をかけない」などの誓約書を書いた店にだけ、カードを発行。ほぼ全店が応じた。店員らは「やりにくいっすね」と言いながら、胸のカードを見せて、おとなしく勧誘している。
「さあ、1次会の終わった後はお姉ちゃんのいる店どうですか。焼酎、ウイスキー飲み放題」。黒いコート姿の男性店員がチラシを片手に威勢良く声をかける。青いひもを首から下げ、胸の位置に店名と氏名の書かれたカードが揺れる。「組合で認定されたきちんとしたお店です」
別のキャバクラ店員は「お客さんからID着けなきゃだめじゃないの、なんて言われるんで、わけも分からず着けるようになったんですが」。
カードは市社交飲食業組合などが発行した。同市古町通八番町や九番町では11月まで、「歩くのもままならない」と言われるほど、客引きがしつこかった。
通行人が通ると早口で話しかけながら、正面に回る。チラシを差し出して、勝手に値段の交渉に入る。振り切っても次の客引き、さらに次の客引きと、列を作って待っている。通り抜けが大変だった。
住民や市社交飲食業組合が巡回して注意してきたが、「迷惑をかけないようにする」とはいうものの、強引な客引きを続けた。そこでIDカードをぶらさげてもらうことで、だれもが分かるような形での誓約を求めることにした。
カード発行は1店につき2枚だけ。運転免許証ぐらいの大きさだ。誓約を破ると、カードを取り上げる。始めた当初は「どういうことなんだ」と、暴力団関係者がすごんできたこともあったという。しかし「地域ぐるみで取り組むのなら」と、路上で勧誘する約60店のほとんどが組合に協力した。
新潟中央署は「法で縛るより地域と一緒になって取り組むほうが、治安の回復も含めて効果があるのでは」とみる。
「あとは継続。ルールを破る業者が出てきたとき、根気よく説得することが大切だ」と、同組合の高城和夫理事長は話している。(12/11 18:12)