2003年12月11日(木) 00時13分
ネット販売でカード決済は外せない(1)(japan.internet.com)
弊社の調査によるとオンライン販売のサイトでクレジットカード決済を導入している割合は24%しかありません(2002年調査・対象15,000サイト)。しかし実際には、消費者が最も好ましいと考えている決済手段はクレジットカード決済なのです。
2002年と2003年に消費者に対して実施した弊社のアンケート調査では、いずれもカード決済が好ましい決済手段のトップでした。しかも、回答者の割合が唯一増加している決済手段でもあります。
http://japan.internet.com/img/20031211_nttdate.gif
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このようにカード決済が消費者に好まれる理由を、消費者の生の声を拾いながら説明してみたいと思います。
●その場で決済可能
カード決済の利点の一つはインターネットで決済が完結することです。代金引換だと受け取り場所を離れることができず、銀行振込だとわざわざ銀行まで足を延ばさなければなりません。
・カードが使えず代引しか選択肢のないショップが多いので迷惑している。その日どこにも出かけられない、時間指定しても急用が入ることもある。
・幼い子供がいると、銀行や郵便局にはなかなかいけないため、クレジット決済などその場ですむ決済方法がないと購入できない。
●手数料不要
ネット販売では相対(あいたい)による直接の現金払いはできません。そのために、例えば代金引換であれば「代引手数料」、銀行振込であれば「振込手数料」を消費者が負担することになります。その点、カード決済では消費者の支払い手数料はゼロ円で済みます。
・ただでさえ送料の負担が大きいので、それ以上の出費は避けたいとの思いから、振り込み手数料などのかからないクレジット決済をよく利用しています。
・支払方法が銀行や郵便局での振込みの場合、手数料がかかるので、信頼できるサイトでならカード決済をしている。
●ポイント制度も魅力
クレジットカードを利用すると景品等と交換できるポイントが貯まる点も見逃せません。ある調査によると、クレジットカードに充実させてほしい機能のNo.1は「ポイントの充実」で全体の52%もありました(2002年・第一生命経済研究所)。
・クレジットカードのポイントを集めているので、できるだけカードで支払うようにしています。
・ポイントが溜まるとそれで買い物が出来るのが嬉しい。
●手持ちの現金が無くても購入可能
消費者の経済的状況によっては、手持ちの現金が無くても買物ができる点も評価が高いようです。
・1万円以上の買い物の時は、カードを使わないと一括払いはきつい。
・カード分割払いが可能なら買おう、と思うことがある。
●最大のマイナス面はセキュリティ
もちろんカード決済に対するネガティブな意見もありました。唯一最大のマイナス面はセキュリティだと考えられます。
・クレジットカードの支払いの場合は、どうしても必要以上に引き落としされないか、不正に利用されないか心配です。
・カード決済などは私の年代では抵抗があり持っているだけの状況です。何か購入する場合でもカード決済だと敬遠してしまいます。
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カード決済の特徴を一言で表すなら「不安は残るが便利なのでクレジットカードを使う」という感じでしょうか。不安感についてもネット販売の増加とともに抵抗感は薄れているようで、実際のところ冒頭のグラフにもあるようにカード決済を肯定する消費者は徐々に増えています。
今回は消費者サイドからカード決済を見てみましたが、次回はネット販売事業者の側からカード決済を考えてみたいと思います。
(執筆:細木康裕)記事提供:
http://www.cubit.co.jp/index.html
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