2003年12月10日(水) 13時32分
SOHO浜松が3月末で閉鎖 空き多く採算とれず(中日新聞)
【静岡県】浜松市や浜松商工会議所などが共同で運営する、小規模在宅事業者のSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)支援施設「SOHO浜松」(浜松市常盤町)が来年三月末までに閉鎖する。空き室が目立ち、静岡県の補助金も本年度で打ち切りとなるためで、二〇〇一年の設立から三年で、起業家育成を目指したSOHO支援事業は方針転換を迫られる形となった。
施設は県の三カ年計画に基づいて、市や商工会議所、浜名湖国際頭脳センター、静岡大学地域共同研究センターなど八機関でつくる県西部地区SOHO推進協議会が運営している。約二百平方メートルのフロアにインターネット専用回線を配し、十ブースをIT(情報技術)などの小規模事業者に貸し出しているほか、異業種交流会などのイベントも行ってきた。
しかし年間千二百万円に上る県の補助金が、当初の予定通り、三年間で打ち切られる見込みで、赤字運営が確実となる。また駐車場の不備や部屋の話し声が漏れるなど施設面の問題も浮上し、現在の入居者は十ブースのうち三社のみ。さらに浜松市内にインキュベート(起業家育成)施設が複数あることも考慮して、協議会のメンバーが閉鎖方針を内定、来年二月ごろの会議で正式決定する。
浜松市の太田純司商工課長は「IT普及が予想以上に進んで在宅でも仕事ができ、必ずしも中心街の一角でSOHO施設を運営する必要はないと判断した。入居者への支援は引き続き行う」としており、メールマガジンなどの情報発信や異業種交流の試みは継続する。
入居者でシステムエンジニアの松本憲彦さん(33)は「三年前に初めて浜松に越してきて、これだけ人と交流できる機会があったのはSOHO浜松があったおかげ。しかしその運営方法や、補助金を使ってのSOHO支援の意義は検証する必要があると思う」と話している。(中日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031210-00000012-cnc-l22