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2003年12月10日(水) 00時00分

ビール超えた…晩酌の主役、発泡酒にZAKZAK

 発泡酒の家庭向け出荷量が、2003年は初めてビールの同出荷量を上回る見通しとなった。年間の発泡酒出荷量は、5月の増税や冷夏の影響で、前年比で減少に転じるのが確実だが、ビールの落ち込み幅がさらに大きいためだ。

 発泡酒は、デフレ時代に合った低価格や商品の多様さで、消費者の支持を得た。業界では「『低所得層が我慢して飲む酒』とのイメージはもうない」として開発に力を入れており、晩酌の主役の座を固めそうな勢いだ。

 ビール業界団体が10日発表した大手5社の今年1−11月の家庭向け出荷数量(課税ベース)は、発泡酒が1億7693万ケース(1ケースは大瓶20本で換算)で53.1%を占めた一方、ビールは1億5657万ケースで46.9%だった。

 年末に向け、お歳暮商戦などで家庭向けビール出荷量が伸びることが予想されるが、「年間で逆転するのは不可能な情勢」(大手幹部)という。

 発泡酒は1994年から大手各社が次々と参入。2度の増税が響いたが、最近は肥満につながる糖質を減らしたり、食物繊維を入れた商品も現れ、健康志向の追い風に乗った。今年は、ビールが圧倒的な飲食店向けを合わせても、発泡酒の比率は約40%となっている。

 キリンビールの調査では、家計に敏感な既婚者家庭で、発泡酒を飲む割合は既に7割。同社は「昨年以来、高所得層の消費量も上がっている。緩やかながらまだ伸びる可能性はある」(溝内良輔・市場リサーチ室長)と分析している。

 一方、同日発表された11月の大手五社のビール・発泡酒出荷量は前年同月比4.1%減の3925万ケースで、2カ月連続で減少。発泡酒は5.0%増と2カ月ぶりに上向いたが、歳暮商戦が低調でビールは8.8%減と44カ月連続の前年割れだった。

ZAKZAK 2003/12/10

http://www.zakzak.co.jp/society/top/t-2003_12/1t2003121022.html