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2003年12月07日(日) 10時13分

規制改革、重点12項目「ゼロ回答」 総合会議の答申案朝日新聞

 政府の総合規制改革会議(議長・宮内義彦オリックス会長)が年内にまとめる最終答申案が6日、明らかになった。コンビニでの医薬品販売の解禁や株式会社の病院・学校経営への参入など12項目の「重点検討事項」について、各省庁の対応を「ゼロ回答」と判断し、改革会議の主張を列挙するにとどめている。大胆な規制改革を政策の柱に掲げてきた小泉首相が、足元で続く省庁側の抵抗にどう対応するかが焦点となる。

 最終答申案は16日に正式に決定し、首相に提出する。ただ、改革会議には答申後も各省庁との調整を続け、追加答申を行うよう求める声もある。

 12の重点検討事項は改革会議が今年2月に決定。各省庁との協議を通じ、構造改革特区で「高度な医療」に限った株式会社の病院経営参入など一部が6月までに実現。同月末に閣議決定した「骨太の方針・第3弾」に盛り込まれた。ただ、各省庁が応じなかった部分が多く、同方針は「引き続き取り組み、その成果を本年末にまとめる総合規制改革会議の答申に盛り込む」と規制改革の拡大を求めていた。

 改革会議は7月以降も各省庁と協議を続けたが、6日までに寄せられた各省庁の対応案は「骨太の方針までに決まったことの範囲内で、ゼロ回答に等しい」(会議関係者)という。

 これを踏まえて作成した答申案は、胃腸薬などの副作用の恐れが少ない医薬品は一般小売店で販売できる措置を03年度中に実施するよう求めた。消費者のアンケートで、深夜のコンビニで扱って欲しい商品のなかで「医薬品」が1位を占めるなど「国民のニーズが高い」ためだ。

 厚労省は薬剤師がいないと服薬指導ができないとしているが、「薬店でも対面の服薬指導をしている実態は乏しい」と規制の撤廃を求めている。

 また、特区構想では株式会社やNPO(非営利組織)から学校経営の提案が相次いでいる。ユニークな教育が可能になるうえ、資金調達も容易などの利点がある。このため、答申案では公立学校の管理・運営をそっくり株式会社やNPOに委託する「公設民営方式」を、直ちに特区で導入するよう求めている。

 特区で認められた病院経営への株式会社の参入についても「医療機関の間の競争や、患者の選択肢の拡大などが促進される」と04年度中に全国でも解禁するよう求めた。

 一方、改革会議が10月に新たに検討対象に加えた「公共施設・サービスの民間開放」や、高度な技術をもつ外国人に優先的に永住権を与える「日本版グリーンカード」創設など、5項目については省庁側と調整を続けており、今回の答申では規制改革会議としての提案などを盛り込む。例えば、公共施設・サービスの民間開放については、数値目標を04年度中に設定するよう提言している。

   ◇ 

■総合規制改革会議の「12の重点検討事項」

 ・株式会社による医療機関経営の解禁

 ・「混合診療」(保険診療と保険外診療の併用)解禁

 ・労働者派遣業務の医療分野への対象拡大

 ・医薬品の一般小売店における販売解禁

 ・幼稚園・保育所の一元化

 ・株式会社、NPOなどによる学校経営の解禁

 ・大学、学部、学科の設置の自由化

 ・株式会社などによる農地取得の解禁

 ・高層住宅に関する抜本的な容積率の緩和

 ・職業紹介事業の地方公共団体・民間事業者への開放促進

 ・株式会社による特別養護老人ホーム経営の解禁

 ・株式会社による農業経営の解禁(12/07 10:11)

http://www.asahi.com/business/update/1207/001.html