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「事務所が日本ということで信用した」。秘書代行悪用による投資詐欺被害にあった1人でエジプトに住む会社員ムハマド・アブドゥール・ババロースさん(39)は話す。
昨年4月、投資会社と称する業者から電話で株投資の勧誘話があった。当初は断っていたが、「絶対、利益が出る」などと言われ、最後は「口座を開設する承諾書にサインして下さい」というファクスが来てサインした。
まず「海外の上場会社の株2572株を購入する」として業者の口座に2回に分けて計9000ドル(約117万円)を振り込んだ。その後、「約5000ドル(約65万円)の利益が出た」といい、「その金でまた株を購入した方がさらに利益が出る」と勧められた。
やり取りは電話やファクスで行われ、ファクスに書かれた業者の住所は東京、上海、クアラルンプール。送信元は日本の事務所の番号が記載されていた。業者も「日本の事務所から電話している」と説明したという。
その後、勧められるがまま、「株の売却で得た金で株を購入する」ことを繰り返した。「追加の投資金が必要」と金も要求され、友人から借金するなどした。入金額の総額は約5万ドル(約650万円)になった。
しかし、依頼していない銘柄の株券を勝手に購入したため、不審に思うようになった。株券の現物を送るよう要求したが送られてこず、その後は何度連絡しても連絡が取れなくなったという。
この業者の連絡先は東京都千代田区の秘書代行などをする会社だったが、ムハマドさんはそのことを知らなかったという。
この会社は「今年3月に事務所に来た警察に業者の資料を提出し、金融庁からも『投資勧誘の免許がないのに活動している』などの警告ファクスが来るなどして、契約関係に支障をきたした」として9月に契約解除の通知をしたという。
ムハマドさんは「日本に事務所があったので信用した。そんな詐欺的なことをする日本を信じられない」と話している。
(12/06 11:42)