悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
12人が死亡、5500人を超す負傷者が出た95年3月の地下鉄サリン事件の実行犯の1人だとして、殺人などの罪に問われたオウム真理教元幹部・林泰男被告(45)の控訴審判決が5日、東京高裁であった。村上光鵄(こうし)裁判長は「担当した路線で大量のサリンを発散させ、8名の尊い生命を奪った責任は重大だ」と述べ、一審・東京地裁の死刑判決を支持して、被告側の控訴を棄却した。弁護側は上告する方針。
この日の判決は、林被告が他の実行役よりも多い3袋のサリン入り袋を電車内に持ち込み、傘の先端で何回も突き刺してサリンを発散させたことから、「積極的な意思で犯行に及んでおり、強い恐怖心から関与したとは言えない」と認定した。
控訴審で弁護側は、松本智津夫(麻原彰晃)被告(48)への強い恐怖心のため、流れに逆らうことができずに犯行に及んだと主張。内乱罪に準じて首謀者とされる松本被告だけを重く処罰すればよく、林被告の極刑は避けるべきだと訴えた。
しかし判決は、地下鉄事件は教団への強制捜査を阻止するのが目的で、内乱罪のように「統治の基本秩序を壊すこと」が目的ではないと判断。
そのうえで、95年5月に指名手配されてから、96年12月に沖縄・石垣島で逮捕されるまで恋人の女性信徒と1年半以上も逃亡生活を送ったことや、遺族の処罰感情の強さなども考慮し、極刑を選択した。
地下鉄事件のほか、松本サリン事件で使われた噴霧車の製作に関与したとされる殺人・殺人未遂の幇助(ほうじょ)罪や、東京・新宿の公衆トイレに青酸ガス発生装置を仕掛けたとされる殺人未遂罪でも有罪とされた。
被告は教団「科学技術省」の元幹部。一連のオウム公判では、これまでに一審で10人に死刑判決が出た。いずれも控訴したが、そのうち二審でも死刑を言い渡されたのは岡崎一明(43)、横山真人(40)、端本悟(36)の3被告=いずれも上告=に続いて、4人目。(12/05 12:09)