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2003年12月05日(金) 03時17分

<武富士>店頭公開へ「大物」の顔毎日新聞

 「まるでお城だな」。東京都杉並区の武富士会長、武井保雄容疑者(73)の自宅兼研修所「真正館」の家宅捜索を終えた警視庁捜査2課の捜査員は2日夜、あきれ顔で言った。

 約4800平方メートルの敷地は、高さ約4メートルのさくと植え込みで囲まれ、さらにその内側には高さ7、8メートルほどの樹木が並ぶ。内部をうかがうことはできない。少なくとも4台の防犯カメラが、路上に向けられる。門柱には「社会に貢献 暴力追放」のプレートが掲げられている。武井会長の表札はない。

 敷地内に建つのは、赤い屋根と白い壁の地上2階、地下1階、延べ床面積1833平方メートルの「真正館」だ。総額20億円をかけて建てたといわれ、地下にプール、2階に社員50〜60人が泊まれる宿泊施設を備える。土地、建物とも、武富士の関連会社名義だ。

 1階のほとんどを占める研修室は、研修後のパーティー会場に使われる。パーティーでは、社員がカラオケのマイクを握り、同社のテレビCMに登場する「武富士ダンサーズ」の女性メンバーが踊りを披露したこともあった。ルーレットなどが置かれ、ギャンブルに興じる社員もいた。

   ◆   ◆

 96年の株式店頭公開を控えたころ、パーティーに大物の顔が並ぶことも多かった。同社監査役に迎えられた徳田博美・元大蔵省銀行局長(81)、同社顧問の福田勝一・元警視総監(故人)をはじめ、社外の弁護士や税理士らも招待された。

 当時、武富士は、店頭公開の幹事会社である証券会社から、JR京都駅周辺の地上げを行った関連企業に対する債務保証問題の解決を迫られていた。武富士は、民法の「委任の終了」という手法を使い、武富士が実勢価格より高い額で土地を買い上げて関連会社の負債を整理し、公開にこぎつけた。

 この手法を検討したスタッフに、徳田氏や福田氏も含まれていた。関係者は「武富士の顧問税理士らは反対したが、徳田さんや福田さんが出身母体の国税・警察当局に掛け合ってお墨付きを得たと言って、反対を抑え込んだ」と証言する。

 徳田、福田両氏には、同社の未公開株が渡っていたことも判明している。

 大蔵や警察の大物OBを社に迎え、自らの力を誇示するかのように繰り広げられた宴(うたげ)の場。締めは、いつも武井会長がマイクを握った。

 —俺(おれ)の死に場所 ここぞと決めた それが武富士さ それが武富士さ 花と竜—

 村田英雄の「花と竜」。本来は「男」と歌うべきところを「武富士」と替えて好んで歌い、社員も声をそろえた。

 4日、送検された武井会長は「死に場所」と決めた会社を守るためか、依然として容疑を否認しているという。(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031205-00000151-mai-soci