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消費者金融大手の「武富士」(東京都新宿区)をめぐる盗聴事件で、元課長の中川一博容疑者(42)=電気通信事業法違反容疑で逮捕=が、盗聴を指示したとされる会長の武井保雄容疑者(73)=同=から「『手当はつけてやるからな』と言われた」と話していることがわかった。警視庁は、武井会長が盗聴を違法行為と認識していたため特別な報酬の支払いを約束した、とみている。
捜査2課の調べや中川容疑者の業務上横領事件公判での陳述によると、武井会長は00年8月〜01年2月にかけ、武富士社員やジャーナリストら計6人の通話を盗聴するよう指示した際、中川容疑者に対し「役職はいま以上に上げられないが、手当はつけてやるからな」と言ったという。
中川容疑者は、違法な業務に携わるため社会的な責任を負う役員などへの昇格はさせられないが、通常の給与に金銭を上積みすることで労に報いるという意味と解釈したという。中川容疑者に「特別報酬」が支払われたかどうかは不明だが、02年9月までの在職中、ギャンブルでつくった1000万円の借金を武井会長に肩代わりしてもらったことがあるという。
関係者によると、武井会長が本業以外の業務をさせる社員に、特別な報酬支払いを約束する例はこれ以前にもあった。中川容疑者の前任として渉外業務を担っていた元社員(51)は96年6月ごろ、同社株の店頭公開前に暴力団などとの間で起きたトラブルを解決するよう指示されたという。その際「体をかけてきちんと処理してくれ。店頭公開したら5億円の金を約束する」などと言われたとされる。
96年8月に店頭公開され、元社員はその後退職した。だが武富士側から支払われたのは1億円だったといい、元社員は民事訴訟で残り4億円の支払いを求め、主張が認められた。その判決は今年9月に確定した。
中川容疑者はこの経緯を知っていたため、「自分も報酬はもらえるはずだ」と思い、盗聴にかかわったという。(12/04 16:00)