2003年12月04日(木) 00時00分
ムカゴ 出荷できない/農薬取締法の改正今年は幻となりそうなムカゴ=倉吉市内で(朝日新聞・)
「ナガイモの農薬」違法県、国に使用要望続ける 県中部特産のナガイモの副産物として生産されてきた秋の珍味「ムカゴ」が、農薬取締法の改正で今年は出荷できなくなったことがわかった。同法は適用作物以外への農薬使用を禁じており、国がムカゴにナガイモの農薬を使うことを違法と判断したためだ。県は来年以降、ナガイモの農薬を使えるように要望していく。今季、「ムカゴ飯」は味わえない?
今年3月に改正された農薬取締法では、農薬ごとに使用可能な作物や使い方が定められ、違反すると罰則が科せられる。
県によると、ムカゴの出荷を控えた9月下旬、ナガイモの農薬が散布されたムカゴについて、生産者から同法に違反していないかどうか問い合わせがあった。県が農水省に確認したところ、11月中旬に「生育部位や形状が異なるため、ムカゴとナガイモは別物で、ナガイモに適用を認められた農薬をムカゴに使うことは違法」との回答を得た。大根のように、葉っぱと根の部分がともに食べられる場合は、セットで農薬を登録する場合があるが、ムカゴは登録されていなかった。
ナガイモのつるにできるムカゴは、京都などに毎年出荷され、ナガイモ生産農家にとっては大事な副収入。県によると、主産地の大栄町と北条町で計2千万円ほどの売り上げがあるという。国の判断を受け、鳥取中央農協ナガイモ生産部(約170戸)は、今年のムカゴは出荷しないことを確認した。
ナガイモとムカゴを別物とする国の立場に県は疑問を持つが、国が認めれば当分の間、ナガイモの農薬を使用することも可能のため、国への要望を続けていく方針。
(12/4)
http://mytown.asahi.com/tottori/news01.asp?kiji=3647
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