悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
預金通帳を盗まれて預金をほぼ全額引き出された千葉市の男性(61)が、中央労働金庫(東京都千代田区)に被害額430万円の支払いを求めた訴訟の判決が3日、東京地裁であった。小島浩裁判長は「当時、全国的にピッキング盗が多発しており、より慎重に本人確認をすることが要請されていた」と述べて請求通りの支払いを命じた。
この判決は、02年12月に提訴された「預金過誤払い集団訴訟」で最初の判決。原告弁護団は「スキャナーの普及で印影が容易に読みとれる社会情勢を認めた画期的判決だ」と評価した。同様の訴訟は、全国7地裁に約100件係属中という。
判決によると、男性は99年10月、自宅から盗まれた通帳で、旧千葉県労働金庫幕張支店から現金をおろされた。窓口に来た男は、白手袋をしたまま手続きし、勤務先を尋ねられてもあいまいに答えていた。
判決は「スキャナーで簡単に複写できるため、印影は容易にまねできないという前提を肯定しがたい社会的状況になっている」と指摘。よく見ると印影が異なることを認定して、「再度の押捺(おうなつ)を求めたり、身分証明書の提示を求めたりするなど慎重に本人確認すべき義務があった」と結論づけた。
原告弁護団は、これとは別に約237万円を盗難通帳で引き出されたケースの訴訟で、東京三菱銀行が請求をすべて認める「認諾書」を出し、すでに被害額が振り込まれたことも明らかにした。
(12/03 21:25)