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自社に批判的な記事を書いたジャーナリストの盗聴を指示していたとして、「武富士」の創業者、武井保雄容疑者(73)が逮捕された。創業から37年、急成長を遂げ、業界に揺るがぬ地位を築いた今も営業から人事、取材対策まで武井会長が取り仕切るワンマン経営と、イメージを過度に意識する姿勢が、事件の背景にあるとみられる。
「会長の決裁なしには物事が進まない。ささいなことでも報告しないと怒り出す」。武富士に十数年間勤めた元社員は武井保雄会長についてそう話した。
ある日の執務中、役員の一人が居眠りをした。目撃した元社員が会長に報告せずにいたら、「なんでおれに伝えないんだ。恥をかかされた」と激しく怒られた。報告を怠り、降格された社員もいたという。
会長は、目をかけた社員からは「オヤジ」と慕われる一方、「ワンマン経営で批判を許さない」と恐れられた。
支出にはたびたび注文をつけた。元社員によると、社内規定で100万円未満の支出は担当役員の決裁で可能なのに、数十万円でも会長決裁を求めることが多かった。
「接待費」は、1人あたり3000円を超える飲食は会長決裁。あれこれ聞かれるため、「何も言わず自腹を切った」と、ある元社員。仕事に失敗すると「始末書」を書かされた。1枚30万円で、賞与から差し引かれた社員もいるという。
社員は賞与、昇級の際、武井会長に「お礼」の手紙を書いた。新年には、東京都杉並区にある武井会長宅「詣で」が習わしになっていたという。怠ると会長に報告され、社内での立場が悪くなることもあったという。
試用期間中、武井会長に声を出してあいさつしなかったという理由で、子会社の正式採用を取り消された男性もいた。
午前9時〜同20分、貸し付け100万円実行、9時30分〜11時300万円、午後0〜1時100万円、午後3〜6時200万円予約——。関係者によると、大阪府にある武富士の支店が、本社から課せられた「時間ノルマ」だ。武井会長の意を受けた指示とみられる。
ノルマを達成できないと、本支社などの上司が支店長に罵声(ばせい)を浴びせる。支店長らは上司への報告を「悲報」と呼んでいた。
(12/03 01:18)