2003年12月02日(火) 00時00分
医療ミスで約9700万円賠償、北九州市(朝日新聞・)
昇圧剤使い植物状態 北九州市立医療センター(小倉北区、熊沢浄一院長)で昨年8月、胃がんの手術を受けた男性が術後2度にわたって昇圧剤を投与された結果、低酸素脳症(いわゆる植物状態)に陥った。市は主治医の処置に問題があったとして、約9700万円の賠償金を支払うことで家族と和解した。
市病院局によると、男性は大分県内の自営業者で50代。昨年8月、胃がんの摘出手術を受けて集中治療室に移った後、血圧が低下した。主治医は昇圧剤を投与したが効果がなかったため、量を増やして再投与したが、1時間後、男性は胸が苦しいと訴え、心停止状態になった。心臓マッサージで17分後に蘇生したものの植物状態になり、身体障害者1級と認定されて現在も入院中。
センターが事故調査委員会を設けて調べた結果、男性は何らかの原因で血液不足の状態に陥っており、2回目の昇圧剤投与によって心臓に過度の負担を受けて心停止に陥ったと判断。再投与の前に輸血などを行うべきだったとし、主治医の処置は「考察が不十分で拙速だった」と結論づけた。
(12/2)
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news02.asp?kiji=5599
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