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NTTドコモは、携帯電話端末のOS(基本ソフト)を「リナックス」で共通化する方針を決め、メーカー各社と交渉に入った。第3世代(3G)携帯電話端末の「FOMA(フォーマ)」に搭載し、来年秋の販売を目指す。OSの共通化で小売価格を下げる一方、世界のパソコン市場で優位に立つ米マイクロソフトが参入の動きをみせる携帯端末用のOS市場で、「標準化」の主導権を握る狙いもある。
ドコモの携帯電話端末は現在、各メーカーが独自に開発したOSを使用し、OSに対応するソフトウエアも別々に開発している。OSとソフトウエアの仕様が共通化されれば、端末の生産コストが削減される。
OSの選択権はメーカー側にあるが、各社ともリナックスの搭載に応じる見通し。
ドコモは、これと並行し、日本の一部機種に搭載され、欧州の携帯電話で広く普及している英シンビアン社製OSでの共通化も検討する。
「FOMA」は、端末の生産価格が第2世代携帯端末より高く、普及のハードルになっている。ドコモはOSのほか、LSI(大規模集積回路)などについても、各メーカーが共通して使えるような商品の研究を米国のインテルやテキサス・インスツルメンツなどと続けている。ドコモは「共通化が進めば、1台につき数千円程度のコスト削減が可能になる」としている。
携帯端末のOSでは、マイクロソフトが米国の携帯市場でモトローラと提携して参入したほか、日本の市場にも参入の動きをみせている。
ドコモは、マイクロソフトに基本ソフトを握られる前に、修正しやすく、ライセンス料を支払う必要もないリナックスをOSとして共通化して対抗することにした。
世界中どこでも使える3G端末で先行する日本の最大手携帯電話会社が、リナックスの採用方針を決めたことで、携帯用OSの「世界標準」争いに影響を与えそうだ。
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<リナックス> コンピューターを動かす基本ソフト(OS)のひとつ。ウィンドウズと違って無料で、プログラムの設計図「ソースコード」も公開され、自由に改造できる。フィンランドのヘルシンキ大学の学生だったリーナス・トーバルズ氏が開発し、世界中の個人が改良に参加するうち、動作が軽快で安定したソフトに成長した。製品を安くしたいメーカーが製品に組み込む動きを加速させている。(12/02 14:46)