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【ススキノではママが狙われる!】
北の歓楽街ススキノでは、スナックのママが相次いで犠牲となった。
北海道警などによると、同地区のスナックに、「ママ! オレだ。函館漁協の…。今度、遊びに行くべ」と漁師言葉で常連客を装った電話がかかる。数日後、同じ男から「ママ、先にそっちに行った仲間が競馬ですっちゃったから、金を借してや」と電話があり、ママは指定した場で男の仲間に現金数万円を渡したが、それっきり。不景気ススキノの傷口を広げるように、10件以上の被害が出ている。
【警官だ!】
「警察の者だが、あなたの家族が事故を起こし、示談金が必要」。埼玉県内では先月、警察官を装う者が出現。ニセ警官が「今日中に振り込めば、逮捕せずに済む」と淡々と語る手口は未遂も含め10件以上の被害が通報された。なかには、弁護士や被害者を装った“役者”が代わる代わる電話口に出るため、「200万円も振り込んだ被害者もいた」(捜査関係者)。
【夫にまで化ける!】
やはり埼玉県内では、夫を装った犯人が泣きながら、「外車にぶつけてしまった。被害者の人に代わる」と、主婦(39)宅に電話をかけてきた。すっかり夫と信じた主婦は指定口座に90万円を入金。夫に再コールしたが、夫は「知らない」。時すでに遅く、主婦は県警に「夫の声に似ていたので…」。
【人妻との手切れ金!】
先月19日には、茨城県の女性(79)宅に、孫を装った男から「東京で遊んだ人妻と別れるのに50万円を貸してほしい。人妻と話をしている」と電話があった。女性は「30万円なら」と返答し、被害にあった。
【約4000件!】
警察庁が先ごろ、発表した今年1〜10月までの「オレオレ詐欺」件数は3807件(うち未遂1039件)、被害額は約22億6000万円。「最近、増えているのが誘拐や拉致を装った派生型。これは脅迫として別にカウントし、今年下半期を中心に76件の被害がある」(同庁関係者)
先月13日にも世田谷区の女性(79)宅に「息子が借金を返さない。200万円振り込まないとマグロ船に乗せる」と電話があり、150万円が詐取された。
【被害続出のなぜだ?】
増殖する犯人について、元警視庁捜査1課長の田宮栄一氏は「犯人は顔の見えない安全圏から犯罪を仕掛ける。ダメ元で電話し、うまくいけば金額も大きい『ぬれ手でアワ』の詐欺。失敗すれば電話を切ればいいだけ。報道を見ての模倣犯も多い」と解説し、「被害者も平和ボケ。もう一歩踏み込んで注意すべき」と忠告する。
また、上智大名誉教授の福島章氏(犯罪心理学)は「大人になっても息子が経済的に親へ依存している日本特有の犯罪だ。欧米では子供は成人すると、独立するのでオレオレ詐欺はありえない。パラサイトシングルが多く、核家族化が進み、庶民でも年寄りは小金を持っているからだろう」と分析し、「年に2、3回は親子が対面するなり、より密接なコミュニケーションが必要だ」と話している。
ZAKZAK 2003/12/02