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今回の事件の動機など詳細は不明だが、日本への攻撃については、これまでにテロ組織からとみられる警告が相次いで2回出されている。
1回目は、今年10月18日にカタールの衛星放送アルジャジーラが、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン氏とみられる人物の声明として放送した。音声テープに録音された声明は、米国内とイラクの米国人に対する自爆攻撃を警告するとともに日本に対する攻撃も示唆した。
2回目の警告はアルカイダを名乗る組織から今月16日に英国で発行するアラビア語週刊誌と新聞に届けられた。「(日本人が自国の)経済力を破壊し、アラー(神)の軍隊に踏みつぶされたいのであれば、イラクに(自衛隊を)送ればよい。我々の攻撃は東京の中心部に達しよう」との文面で、日本の自衛隊派遣を強く牽制(けんせい)した。
こうした「警告」との関係は不明だが、11月18日未明には、バグダッドの日本大使館に向けて発砲があり、警戒中の警備員が応戦した。大使館周辺での発砲はこれまでもたびたびあったが、大使館に向けて発砲され、警備員が銃を撃ち返したのは初めてだった。
大使館などによると、車に乗ってやって来た数人の男が、約50メートル離れた表通りから大使館前に置かれた高さ3メートルのコンクリート製遮蔽(しゃへい)ブロック周辺で警戒中の警備員に向けて自動小銃を発射。警備員と撃ち合いになり、男たちはしばらくして車に乗って逃げ去ったという。警備員は無事だった。
今回の襲撃事件があった地点に近いティクリートはフセイン元大統領の出身地で、イラク中北部で反米英勢力の強い「スンニ派トライアングル」地帯の中でも米軍に対する抵抗が最も激しい場所の一つとされる。イラク駐留米軍は今月、ティクリート周辺に戦車部隊や攻撃ヘリコプターなどを投入し、武装勢力の一掃を目指す大規模な掃討作戦を始めていた。
イラク国内での米兵の死者数は今月に入って急増し、AP通信によると、11月の死者は、今年3月20日のイラク開戦以来、月別では最も多くなった。
最近では米軍だけではなく、他国の兵士も標的になっている。自衛隊の派遣を検討しているサマワから約80キロのナーシリヤでは、駐留するイタリア警察軍が自爆攻撃を受け、約30人の犠牲者を出した。
(11/30 11:05)