2003年11月28日(金) 19時48分
<遺伝子組み換え>初の表示納豆を販売 札幌のベンチャー企業(毎日新聞)
札幌市のベンチャー企業「A—HITBio」(池田順子社長)は28日、日本で初めて「遺伝子組み換え」の表示をつけた納豆の販売を開始した。国の審査を経た米国産遺伝子組み換え大豆を使っており、同社は「日本でも遺伝子組み換え作物を使った食品を食べられる機会を作りたかった」と説明している。市民団体からは「販売する必要がない食品だ」との声も上がっている。
この納豆は「Dr・冨ちゃんの『納豆のススメ』」(1パック40グラム入り)。米国の化学メーカーのモンサント社が製造している除草剤に耐性のある遺伝子を組み込んだ米国産大豆が原材料で、同社アドバイザーの冨田房男・北海道大名誉教授らが、北大が開発した納豆菌を使って製造し、箱に「遺伝子組み換えGM大豆95%使用」とうたっている。
販売方法はインターネットとファクスだけの通信販売で、15パック(800円)から応じる。送料などは購入者の負担で、初年度売り上げは1000万円が目標。
冨田名誉教授は28日の記者会見で「遺伝組み換え大豆の栽培は畑を耕す必要がなく、農薬も減らせて環境に優しい。将来は北海道でも遺伝子組み換え大豆が栽培できればいい」などと述べた。
日本では、国の安全性審査を経た遺伝子組み換え食品の流通が認められているが、長期的な人体への影響についての評価はされていないため、消費者団体などから不安の声も上がっている。【須山勉】
食品問題に詳しい「日本子孫基金」の小若順一事務局長の話 社会に出す理由が全くない商品だと思う。多くの消費者は買わないだろうし、すぐ市場から消えるのではないか。原材料の遺伝子組み換え大豆は除草剤を使って栽培しているのに「環境に優しい」と言うのはおかしいのではないか。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031129-00000032-mai-soci