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経済産業省所管の独立行政法人「経済産業研究所」(岡松壯三郎理事長)が先月、米国防総省が開発したソフトウエアを不正利用したなどとして所属研究員を懲戒解雇したことがわかった。研究員はソフトで北朝鮮が日本を攻撃した場合のシミュレーションをし、本を出版した。本人から聴取しないまま任期切れ直前に解雇するのは異例で、研究員は「懲戒理由にあたる事実はない」と法的手段も検討している。
研究員は韓国出身の劉敏鎬(ユ・ミンホ)さん。昨秋から1年間の任期で東アジアの安全保障問題を研究していた。
今春に米国のシンクタンク「ヘリテージ財団」の米国の研究員に協力を依頼。同財団が米国防総省から利用許可を受け、大規模災害や武力攻撃などの際の被害想定をするソフトを使い、北朝鮮が東京やソウルを攻撃した場合の被害想定をシミュレーションしてもらい、10月末、財団の研究員と共著「ウォー・シミュレイション 北朝鮮が暴発する日」(新潮社)を出版した。
経済産業研究所はこの件で、劉さんの任期が10月末で切れる直前の28日に懲戒解雇した。
処分理由は(1)シミュレーション結果を利用して商業出版するには財団と国防総省の間で特別な手続きが必要だが、とらなかった(2)シミュレーション費用と偽り、約1万1000ドル(125万円相当)を研究所に支出させようとした、などとしている。
劉さんは「財団研究員にソフト使用の許諾を得た。財団内部の問題」と主張。研究費も「シミュレーションの代価のつもりだった」とし、「一方的な処分だ」と話す。
ヘリテージ財団は「事前に出版の話は知らなかった。ソフトの不適切な利用の有無は調査中」と回答している。(11/28 15:30)