2003年11月28日(金) 15時07分

＜五菱会ヤミ金＞トランクルームにも１００万ドル預ける（毎日新聞）

　指定暴力団山口組五菱会による組織的ヤミ金融事件で、同会系貸金業総括経営者、梶山進容疑者（５４）の金庫番的存在とされるヤミ金会社社長が、東京都千代田区内のトランクルームに約１００万ドル（約１億１０００万円）を預けていたことが警視庁など合同捜査本部の調べで分かった。この金は、五菱会が家宅捜索され、梶山容疑者が逮捕された翌日に引き出されていた。捜査本部は、梶山容疑者が貸金庫に預けた米ドルと同様、ヤミ金融の収益をマネーロンダリング（資金洗浄）した疑いがあるとみて、金の行方を追及している。

　約１００万ドルを預けていたのは、組織犯罪処罰法違反（犯罪収益等隠匿）容疑で逮捕されたヤミ金融「ＶＶ」グループ社長、横山修一容疑者（３３）。

　調べでは、横山容疑者が預けたトランクルームは、米国のカジノホテルの関連会社名義だった。横山容疑者はこの会社に、現地で手持ちの金がなくてもカジノホテルのサービスが受けられる「預かり金」名目で、米ドルを預けたという。

　梶山容疑者が預けた貸金庫は、別のカジノホテル経営会社名義で、同社役員の立ち会いがないと引き出せない契約だったが、横山容疑者のトランクルームは自由に引き出せるシステムだった。

　捜査本部は８月１１日、静岡市の五菱会本部を家宅捜索するとともに、指名手配していた梶山容疑者も逮捕した。横山容疑者がトランクルームから約１００万ドルを引き出したのは、翌１２日。捜査本部は、横山容疑者が捜索先の拡大で押収されることを警戒して、別の場所に移したとみている。

　横山容疑者はカジノホテル経営会社を梶山容疑者に紹介していた。捜査本部は、犯罪収益を米ドルに両替し、カジノの預かり金名目で日本国内に隠す手口は、横山容疑者の発案だったとみて追及している。【田中義宏】（毎日新聞）

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